今週はアクリジョンに行きつくまでに色々試してみた着色方法についてです。
私が作っているものの都合上、透明着色オンリーになりますので予めご了承をー。
あと超長いです。
■ステイズオン(縮めた後に着色→縮める前に着色に変更)
(リンク先:amazon)
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タイプ:溶剤系染料
混色:△できないことはないが細かい調整はムリ
色落ち:○ふつう
ニス:△水性ニスのみ
備考:スタンプ用インクなのでスタンプやステンシルには最適
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まずは今使っているものを見直そう、ということで一度派手に失敗してから避けていた縮める前着色を試してみました。
ステイズオンに限界を感じた理由の一つとして、ニスを塗る時の色落ちがあるのですが、縮める前に着色すれば、しっかり定着する分、色落ちしにくくなるのではないかな、と思ったためです。
あと、以前の失敗は色ムラができてしまったり色が濃すぎたりというのが原因でしたが、今はダウバーがあるのでムラなく薄めに着色できるのでは、と。
で、結果としては正解でした。
ムラなく薄めに着色でき、ニスでの色落ち問題も解決しました。(写真の上側が縮める前、下側が縮めた後)
とはいえ問題はこれだけでもないので、ステイズオンは一旦置いて別の物を試していくことに。
■NRクリアカラー
(リンク先:amazon)
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タイプ:(油性?)顔料
混色:○CMY+オレンジで自由自在
色落ち:×ティッシュでふくだけで9割以上落ちてしまう
ニス:◎MR.スーパークリアOK
備考:色の濃淡はつけにくい
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レジンの着色に使っている着色料です。
爪楊枝の先にNRクリアカラーを取り、ダウバーに直接ちょんちょんとつけてまんべんなくトントンしたのが写真の上側、縮めたのが下側になります。
これ以上濃くも薄くもできないのが難点ですが、染めたようなキレイなな色づきです。
さらに変色しにくい顔料タイプで、混色も自由自在、発色も良く、溶剤系のニスも使える、と良いトコづくめなのですが……本採用しなかったのは、ティッシュで軽くふくだけでほとんど色が落ちてしまうためです。
ただ、もともとレジンに混ぜ込んで使う塗料を全然違う使い方をしている私の方が悪いわけで。
プラバンに弾かれなかっただけで御の字です。
何はともあれ、リボンのように曲げるものを作るとなると、どうしても手でこすれて色落ちする恐れがあるのでボツにしました。
不思議なことにニスを塗る時には溶け出してこないので、縮めた後に曲げたりせず、すぐにコーティングしてしまうのであればアリだと思います。
とはいえ、トータルでは使いづらいのでプラバン着色のためにわざわざこれを買うのはおススメしませんが。
ちなみにアクリジョンクリアに混ぜて着色してみたのですが、あまり相性がよろしくないようです。
お互いに少量ずつ混ぜる分には平気なのですが、一定量以上のアクリジョンにNRクリアカラーを落とすと、アクリジョン内にカラーが飛び散ったような感じのダマができてしてしまい、うまく混ざらなくなります。
■コピック
(リンク先:amazon)
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タイプ:油性(アルコール系)染料
混色:◎混色可能でもとの色数も豊富
色落ち:○ふつう
ニス:△水性ニスのみ
備考:ダウバーでトントンすると色を薄くできる
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家になぜか数本だけあるコピックを試してみました。
(買ってから多分10年は経っていると思うのですが問題なく使えました。すごい。)
コピックはプラバンに直接描けるのですが、面を塗ろうとするとマーカー特有の筆跡が残りやすいです。
この筆跡をどうにかできないかな、とダウバーで伸ばしてみた所、おもしろい結果になりました。
まずバババと大雑把に塗ります。
乾く前に何もつけてないダウバーで上からトントンすると、ムラなく全体に延ばせます。
さらにトントンし続けるとダウバーがインクを吸い取って色がどんどん薄くなっていきます。
これともっと薄くしたものを縮めるとこうなります。
1色でここまで濃淡のバリエーションをつけることができます。
この特色を活かすと、グラデーションをかけるのはもちろん、CGの水彩塗りっぽい感じとか、色々な表現ができるんじゃないでしょうか。
ペンタイプのダウバーを使えば、細かい塗り分けにも対応できますし。
あとコピックの良い所は一般的な画材ということで手に入りやすく、とにかく色数が多い所です。
うすめ液もありますし、詰め替えインクを買って混色もできてしまいますし、手軽さと表現力の多彩さという点では最強ではないでしょうか。
もうこれでいいんでないの?と思いきや唯一の欠点が深刻です。
コピックは変色しやすい染料系です……orz
色によってマチマチなものの、紫外線にはかなり弱いそうで、変色例を見るにレジン着色剤のピュアカラーと似た感じなのかな、と思います。
となると、日常使用でもかなり短期間での変色のおそれあり、です。
もちろんUVランプは鬼門。
ステイズオンのガナッシュみたいに熱で変色するものもありそうです。
その上ニスが水性のみに限られるため、耐久性には大いに難点があります。
ただステイズオンでも試したアクリジョンクリアを塗った上にMR.スーパークリアという技が本当に有効なら、この弱点はある程度克服できます。
MR.スーパークリア(UVカット)の防御力はすでにレジンで実験して疑いようがないのですが、アクリジョンで封じ込めた下地(ステイズオンやコピック)とMR.スーパークリアが長期的にもケンカしないか、がネックなのですよね……。
半年経つとベタベタしてきます、とかだとガッカリですし。
また放置実験してみますかねー。
■プロッキー
(リンク先:amazon)
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タイプ:水性顔料
混色:△できないことはないが細かい調整はムリ
色落ち:○ふつう
ニス:◎MR.スーパークリアOK
備考:メインで使うのは難しいが、時々遊びで使うのは楽しいかも
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ポスカと同じく三菱から出ているマーカーです。
ポスカのインクが不透明系なのに対して、プロッキーのインクは透明系です。
ニオイのしない水性インクでありながらプラバンに描ける、そして顔料系、とここまで試してきた塗料の弱点は良い感じにクリアしています。
にもかかわらず本採用にならなかったのは、混色に難があるためです。
ポスカの場合はペンがバルブ式(ペン先を押し込むとインクが出てくる仕組み)なのでインクを取り出すこともできるのですが、プロッキーはインクが綿に染み込んでいる状態なので取り出すことができません。
ということでインクの状態で混色するのはムリ。
詰め替え可能なので、綿自体は取り出せるのですけどね。(……取り出した綿を半分に切って別の色とくっつけるとか魔改造するのはできるかも??)
可能な混色方法はいくつかあって、一番簡単なのは重ね塗りです。
1色で塗ったら、インクが乾かないうちに混ぜたい色で重ね塗りします。
かなりインクがムラになるので、化粧パフなどでトントンして均一にします。
これは単色の場合でも有効です。
縮める前。
まん中の4つは両端の黄色と水色を混色して作った緑です。
フチに色が濃く残りがちで、完全に均一にという訳にはいきません。
縮めた後。
かなり濃い色になります。
もう一つはパフの方に色をつけてトントンする方法。
まずパフに直接プロッキーで重ね塗りします。
次に軽く湿らせたティッシュにパフを軽く押しつけます。(これで色が混ざる)
パフでプラバンにトントン着色します。
縮める前。
今回も水色と黄色で緑色を作っています。
縮めた後。
縮める前にバッチい感じだったものの方が色が薄付きでキレイ。
色は均一に混ざらないし、ムラにもなるし、細かい色の調整もできないしでダメダメではあるのですが、この感じ、何か結構好きです。
自然物をモチーフにする時にこういう着色をすると映えるんじゃないでしょうか。
植物のみずみずしい感じとか蝶の羽の鱗粉っぽさとかをを表現するのには良さそうです。
ちなみにプロッキーはサリッとした擦りガラス調の仕上がりになります。
透明感は残りますし、コーティングでツルツルにできるのであまり問題はありませんが、一応。
どちらかというと問題は、混色するとペン先が汚れてもとの色に戻るのに時間がかかることだったりします。
そんなこんなで色々試した結果、自分にとって今一番いい装備がアクリジョン、という感じです。
染料系+アクリジョンクリア+MR.スーパークリアUVカットの放置実験の結果次第では、半年後には「コピックこそプラバン着色において至高 」とか書いているかもしれませんが……。
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